要件定義の進め方

システム開発の大炎上を防ぐために、上流工程(前工程)に位置する「要件定義」について、考えていくブログです。

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テキストボックスに関する要件定義

下記について、画面要件を定義するときに利用する部品について言及した。今回は、その部品の中でも、テキストボックスの振る舞いに関して、何を要件として定義するべきかを整理する。

req-definer.com

テキストボックスとは

テキストボックスというのは、下記のような見た目で、文字列を入力できる欄のことを指す。

通常はこのテキストボックスに入力した文字列をデータベースに保存したり、データベースから取り出した情報をテキストボックスに再度表示したりする。住所を入力したり、氏名を入力したり、色々な使い方ができるので、大変便利な画面部品だ。

テキストボックスに対して決めるべき要件は入力に関する要件

テキストボックスというのは文字列を入力するためのものであるため、どんな情報をどのくらい入力できるようにすべきかという点が、決めるべき要件となる。したがって、ある画面にテキストボックスを配置する場合、下記項目に関して決めておく必要がある。

  • ①:テキストボックスに入力可能な文字の種類
  • ②:テキストボックスに入力可能な文字の最小数および最大数

以下、それぞれの項目にたして決めるべきことの例を紹介する。

①:テキストボックスに入力可能な文字種類

入力可能な文字といっても、文字には色々な種類が存在する。平仮名、カタカナ、漢字、アルファベット、数字、色々存在する。使用する文字の種類があらかじめ定まっている場合は、入力を制限することが好ましい。入力を制限することで、システムとして検討しなければならないことを減らすことができるのだ。例えば、テキストボックスに入力されている金額に10%の税金をかけるような処理の場合、テキストボックスに半角の数字しか入力できないようにさせておけば、不要なエラー処理を実装する必要がなくなる。そういうわけで、なるべく入力制限をすることが望ましい。具体的には、下記についてあらかじめ決めておくとよい。

  • 半角のみ許容するか?全角のみ許容するか?半角も全角も許容するか?
  • 平仮名のみ許容するか?カタカナのみ許容するか?どんな文字も許容するか?
  • 数字のみ許可するのか?数字以外も許容するか?
  • 数字のみ許可するなら、最小値と最大値はどうするか?

②:テキストボックスに入力可能な文字の最小数および最大数

入力可能な文字数に関しては、最小文字数と最大文字数を決めておくとよい。よくある例が、パスワードだ。パスワードは短すぎると悪意のあるユーザーにログインされてしまう可能性がある。かといって、1000文字など長すぎる必要もない。下記を決めておく必要がある。

  • 最小文字数
  • 最大文字数

テキストボックスの入力に対する要件の例

以下に、テキストボックスの入力に関する要件を定義した例を示す。

テキストボックスXXの入力に関する要件 ・入力可能な文字種類に関しては、半角のみとすること
・入力可能な文字種類に関しては、数字のみとすること
・入力可能な文字数に関しては、下記範囲内とすること
 最小:5
 最大:10

結論:テキストボックスに関する要件として、入力に関して要件を定義しよう