要件定義の進め方

システム開発の大炎上を防ぐために、上流工程(前工程)に位置する「要件定義」について、考えていくブログです。

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やる気がなくても仕事を進める方法

どうしてもやる気が起きない時が、たまにある。特に、なんだかめんどくさそうな事務処理をしなければならなくなった時だ。やり方を誰に聞けばいいのかわからないし、開発にあまり関係ないし、だからといって放置しておくこともできない。そうこうしている間に締切がやってきて、なんとかやり切るという経験はないだろうか。筆者もそのようなことがよくある。そんな時によく使う方法を紹介したい。

 

やる気がなくても仕事を進めるルール

ルールは、下記だ。

  • ルール1:1日の終わりに、明日やらねばならないことを6つ書き出す
  • ルール2:書き出した6つを優先度順に並べておく
  • ルール3:次の日の最初に、1番重要なタスクのみに取り掛かる。
  • ルール4:タスクを終えたら、次に重要なタスクに取り掛かる。6つ終えるまで繰り返す
  • ルール5:これを毎日続ける

 

なぜこのやり方がうまくいくのか

やる気が起きなくて仕事がなかなか進まないようになっていたならば、上記のやり方をぜひ試してみていただきたい。少しずつでもタスクが進み、そもそもやらねばならないタスクが日に日に減っていくことを実感できると思う。このやり方がうまくいく理由は、主に3つある。

うまくいく理由1:1日の始まりにやることがはっきりしている

1日の業務の始まりにおいて、最も厄介な存在が、メールだ。朝出社して、パソコンを起動させると、なんだか色々なメールが来ていて、返事をしないといけないとなる。色々なメールを片付けて、気づいたら昼過ぎだ。仕事を少しでも進めようとして、とりあえず出来そうな仕事をしようかとなり、一日が終わる。大切なことは何一つできていない。それでも、忙しく作業していた気になってしまう。確かに仕事はしているのだが、重要な仕事は全然進まない。

その点、先に挙げたやり方だと、1日の始めにやらねばならないことがはっきりしているから、目標をぶらさず、すぐにタスクへ取り掛かることができる。やる気の方はさておき、とにかく取り掛かることができれば、少しずつ作業は進むものだ。たとえやる気がなくとも、仕事が少しずつ進むのだ。

うまくいく理由2:最も重要なタスクを最初にこなせる

重要なタスクを最初にこなせるという点も重要だ。重要なタスクというのは、そのタスクを期間内に片付けることができないと、その後工程に影響が出るものだ。後工程に影響があるタスクを片付けられなかった場合、リカバリ処理を実施しなければならない。例えば、期限内に機能を開発出来なかったら、できない理由の説明資料の作成や、リカバリ計画の作成が必要になってくる。期限に間に合わなかったペナルティだ。

重要なタスクを最初にこなすことで、余計な仕事の発生を防ぐことができるのだ。余計な仕事というのは、不具合の後処理などの後ろ向きな仕事なので、モチベーションも下がってしまう。そのような類の仕事の発生を防ぎ、仕事の好循環を生み出すことができるのだ。

極論を言えば、やる気が起きず、その日一個しか仕事ができなかったとしても、その一個が最も重要な仕事であれば、その日の仕事は大幅に進んだことにる。

うまくいく理由3:マルチタスク化を防ぐことができる

人間は、一度に一つのことしかできない。マルチタスクで仕事を進めると、いかにもたくさんの仕事ができているように錯覚してしまうが、実際はオーバーヘッドコストが増えるばかりで、各タスクの進捗は遅い。意思決定などは優先順位を考慮しながら柔軟に行う事のが効果的だが、作業に関しては、シングルタスクで進めるべきである。マルチタスクをやめ、シングルタスクで仕事をすることで、仕事の無駄を減らすことができるのだ。

アイビーリーメソッド

ルールを見て気づいた方もおられるかもしれない。この方法は、アイビーリーメソッドと呼ばれる。100年ほど前、アイビーリーという方がこのメソッドをある企業の社長に紹介し三ヶ月実践してもらったところ、三ヶ月後に現在の価値で4000万円の小切手が送られてきたというものだ。そのくらい価値のあるやり方だということだろうか。100年も前の時代のやり方が今も語り継がれるくらいなのだから、ある程度効果の高いメソッドなのであろう。

この界隈で有名なジェームズクリアーさんも紹介しているメソッドなので、ぜひ試してみることをおすすめする。

参考:アイビーリーメソッド

出所:https://jamesclear.com/ivy-lee

ルール1

At the end of each work day, write down the six most important things you need to accomplish tomorrow. Do not write down more than six tasks.

1日の終わりに、明日やらなければならない重要なタスクを6つだけ書き出す。6つ以外書かない

ルール2

Prioritize those six items in order of their true importance.

ルール1で書き出した6つのタスクを、重要な順に並べる

ルール3

When you arrive tomorrow, concentrate only on the first task. Work until the first task is finished before moving on to the second task.

次の日、一番重要なタスクのみに取り掛かる。最初のタスクが片付けくまで、次のタスクに打ってはならない

ルール4

Approach the rest of your list in the same fashion. At the end of the day, move any unfinished items to a new list of six tasks for the following day.

残りのタスクも同様な方法で進める。終わらなかったタスクについては、リスト化する

ルール5

Repeat this process every working day.

このプロセスを毎日続ける

結論:やる気がなくても仕事は進むようにしておこう