システム開発において、不具合はつきものである。今回は、要件定義工程で記載ミスをした場合の手戻りコストについて紹介する。
要件定義時の修正コストは、運用後には200倍になる
この図(www.jaspic.org/event/2009/SPIJapan/keynote/SJ9keynote.pdfを参考に再作成)は、要件定義時のミスを修正する場合、各工程でそのミスを修正しようとした場合にどのくらいのコストがかかるかを図示したものである。
数値で表した場合は、下記のような関係性となる。
要件 :1
設計 :5
実装 :10
テスト:20
運用後:200
要件定義時に1で済んだ修正コストが、運用後には、200倍のコストに跳ね上がるのである。最初にしっかり詰めておけばよかったものを、よくわからないという理由で詰めるのをさぼったりすると、後で手痛いしっぺ返しが来るのだ。
大切なことは、不具合修正コストを肌感覚で意識し続けること
普段開発していると、不具合修正コストというのには目がいかないものである。当たり前だ。エンジニアは、不具合を出すために仕事をしているわけではない。不具合を出さないよう努めてはいるものの、不具合が出た場合などは想像していないのだ。
しかしながら、この不具合修正コストは、肌感覚として理解しておく必要がある。一つのミスが、大変な命取りとなり、顧客に大変な迷惑をかけてしまうということを、理解しておく必要がある。
前工程の仕事ほど、運用後のミス修正コストは高い。普段より、意識して開発をすべきである。