要件定義の進め方

システム開発の大炎上を防ぐために、上流工程(前工程)に位置する「要件定義」について、考えていくブログです。

要件定義書の作り方
PDCAサイクルではなく、PDCサイクルを回そう
あるべきV字モデルについて整理した
スコープを決めてから、QCDの議論をしよう

小さな気遣いとして、ドキュメントに名前を入れよう

仕事をしていると、部署名無しかつ氏名無しドキュメントに出くわすことがある。誰が作ったのかわからないドキュメントだ。日付も、部署も、名前も書いてない。そういうドキュメントを見ると、この人はあまり責任分担というものを意識していないのかなと思ったりする。と言いながら、メモ書きのような類の場合に筆者も名前を入れ忘れることがある。逆に、紙ペラ一枚だったとしても資料の右上あたりに日付と名前が入っていたりするものを見ると、この人はドキュメントの大切さを意識している人なのかなと感じる。

ドキュメントにおいて、そのドキュメントが誰のものなのかを示すことは、大変重要なことだ。例えば、その資料が何かの調査結果報告書だとして名前が入っていなかったら、調査結果について誰が責任を負っているかわからない。そのような資料を信用することは難しい。そのドキュメントが信頼するに値するドキュメントかどうかは、そのドキュメントを誰が書いたかで決まるものだ。

何かの依頼事をするような資料においてもそうだ。誰の依頼かわからないような依頼を受けることは難しい。なぜならば、勝手に引き受けて勝手に仕事をしてしまうと、お金がかかってしまうので、後で揉め事になってしまうからだ。

仕事で使う資料には、必ず目的が存在する。情報を共有したいのか、お願いをしたいのか、承認を得たいのか、何らかの目的が必ず存在するものだ。いずれの資料においても『誰が』が抜けていると、対応のしようがない。そうなると、資料は目的を果たせないのだ。

ドキュメントにおいて名前を入れることは、ドキュメントに命を吹き込むようなものだ。誰が書いたかを明確化することで、ドキュメントは初めて意味を持つようになる。ドキュメントはの意味づけをすることは、読み手への気遣いでもあるのだ。

話しは少し変わるが、気遣いという点では、ビジネスメールでは、署名を入れておいた方がいい。送り手からしたら些細なことかもしれないが、署名が入ってないメールというのは、受け手からすると困るものだ。メールに書いてある内容が理解できずに電話したくなった場面でも、電話番号がメールに書かれてないから連絡の取りようがない。電話できたとしても、部署も書かれてないので本人に取り次いでもらえるかもわからない。

メールの署名やドキュメントへの名前の記載などは、少しの気遣いだ。そのほんの少しの気遣いで、コミュニケーションはよりスムーズになる。ドキュメントに名前を入れて、ドキュメントの品質を高める努力をしよう。些細なドキュメントでも名前を入れること、これを心がけることで、ドキュメント作りへの取り組み方は変わってくるはずである。

結論:ドキュメントに名前を入れて、責任の所在を明確化しよう